夕張鉄道の 跡を訪ねて BICYCLE TOUR
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(4)旧継立駅−旧角田駅跡  

 淡い紫の野菊が道ばたで沢山咲いていました。風も無く、タマネギ畑が広がり、その特有のにおいが漂っていました。 継立を過ぎると鉄道跡を示すものを見失いました。道道札夕線は栗山方向にある低い丘を登って行きますが、鉄道は丘越えするとは思えません。阿野呂川は丘を 迂回して流れており、札夕線から離れて川の方に自転車を進めることにしました。地図では常正寺方向、”坂本九思いで記念館”のある農道です。昔はこっちの 方が札夕線だったいう気配が濃厚です。道道は丘を越えショートカットしたと思われます。常正寺は道道の喧噪から離れた静かな古い農村のお寺でした。まるで 本州の古い街道風。このあたりに線路跡は見つけられませんでした。ここの記念館にも入ってみたかったのですが、バイクジャージを着ていたので、ちょっと気 が引け、先を急ぐことにしました。

 次の停車駅は角田です。時刻は3時30分を過ぎました。ここまで来ると鉄道跡はますます農地に転用され、探すのが 難しくなって来ます。資料と地図を確認しながら慎重に進むことになります。鉄道設計者になった気分で、地形を読み、どのように鉄路を敷設するのが良いのか 推察すると、今は無い線路が見えてきます。その通りの痕跡を見つけると、これは楽しい。すっかりはまってしまいました。

写真9・角田こ線橋  

 阿野呂川はこの先で夕張川と合流しています。この合流点あたりが旧角田駅らしい。道はさっき別れた札夕線と再び合 流し、すぐに苫小牧−岩見沢を結ぶ国道234とクロスします。信号の下の看板に角田とあります。旧角田駅跡はMTBで入らなければならない様なところで、 宮脇さんの本には夕張川のほとりに保線小屋が残っているとあります。そこへ行くにはタイヤの細いロードバイクとそれ用の靴ではつらい。次回の楽しみにとっ ておきます。角田の交差点から札夕線と別れ、道道662角田栗山線で現JR栗山駅を目指します。交差点を渡ってすぐに角田跨線橋。おや?まだJR室蘭線に 出会うには早すぎます。これはもしや...期待して跨線橋の上から下を覗くと、愉快。線路が無い。

  写真10・こ線橋から見た線路跡

 

 旧継立駅から線路をつなげることができました。タマネギ畑の真ん中に少し盛り上がった路盤があって、農耕車両のわ だちがその上についていました。これは間違いなく当時からある跨線橋でしょう。収穫されたタマネギの詰まったコンテナがその脇に数個置いてあり、大陸的 な、のどかな大平原風景の中に線路跡は緩くカーブして視界から消えていました。






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