夕張鉄道の 跡を訪ねて BICYCLE TOUR
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(6)栗山駅−旧北長沼駅−旧南幌駅 '98/9/27(日) 

  写真15・夕張川鉄橋築堤

 資料によると、栗山駅と室蘭本線を離れ西へ進路をとった線路は、広い河原のある夕張川を274mの大鉄橋で渡り、 北長沼へ向かいます。今日は北長沼水郷公園の駐車場に車を預けて、夕張川にかかる長栗大橋脇から馬追橋に向けて左岸堤防をMTBで走ります。昨日も渡った 馬追橋手前で対岸にそれらしきものを発見し、近づいてみます。背の高い雑草に覆われたそれは確かに、鉄路を鉄橋の高みに乗せる為の3、4m位の高さを持つ 築堤でした。辺りには農業用の資材等が雑然と置かれてそれはありました。
 

 次の停車駅は北長沼です。この集落も国道や長沼本町から離れていて、夕鉄の駅の存在で生まれたのでしょう。夕張川 を西へ渡った鉄道跡は、刈取の終った畑になっていて消滅。この辺りの農地は碁盤の目に区画されていますが、地図を眺めると、道道45恵庭栗山線の一部がこ の区画を無視して、北長沼市街方向の西へ伸びている部分があります。この部分はさっきの築堤と北長沼集落を結ぶ直線上にあり、その跡であるか、鉄道と併走 していたことを窺がわせています。この道は北長沼手前の十字路で、この区画に迎合して、恵庭方向へ90度折れてしまいますが、自転車は北長沼方向へ直進し ます。北長沼へ向かう道には”きらら街道”という名が付けられていました。道は緩く左にカーブして北長沼市街に入っています。こうした曲がり具合は鉄道の もの。その先すぐに市街の区画を無視する向きに立ち並んだ煉瓦の倉庫群が出現しました。今はとある運送会社がここを使っているようです。短いきらら街道は ここで一旦途切れ、正面に旧北長沼駅跡を説明する小さな看板がぽつんと建っていました。鉄路が伸びていたであろうその行く先は、再び広大な畑になっていま す。

写真16・丸窓のある商店  

 人の往来を失った旧北長沼駅前通り。消防派出所と、その大正モダニズムの丸窓のある商店がありまし た。同じように成立した継立市街が活気 あるのに比べて、ここは、鉄道が無くなったと同時に時を止めた様。

 

 

  写真17・煉瓦塀とバス停

 旧駅前通りから道道へ出てみると、古い煉瓦塀を回した民家の前に、夕鉄バスのバス停”北長沼”がたたずんでいまし た。ここで夕張鉄道がバス会社として、今も存在することを思い出しました。当然今もこの路線を運行する権利があるのです。バス停には、機関車にもあった丸 にYのマークが付いています。

 

 

 これから南幌までの6Km位の区間、双葉という駅もあったはずですが、併走する道路も、痕跡も、集落も見あたりま せん。農地の区画に迎合して道道1080栗山北広島線で南幌へ走ります。道の周りは田んぼが多くなって来ました。しばらく走って南幌市街地へ入って来まし た。江別や札幌のベッドタウン化しており、新しい家が立ち並んでいました。町に現代を生きる活力があるのを感じました。地図を見ると、この町にもとぎれと ぎれではありますが、区画にそぐわない斜め道があります。これは北長沼方向から来る直線に一致しています。その道へ入って行くと、やはり旧駅跡に付き物の 倉庫群が細長い空き地の両脇に林立していました。

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